簡単に作れる志望動機の作成方法(3)

公開日:2021年12月22日

一般企業向けの簡単な志望動機の作成方法。

 

今回は、一般企業向けの志望動機の作成方法を紹介します。

 

志望動機は、企業ごとに作成し、企業研究も必要なため、作成に負担を感じる人が多いです。特に、志望度がさほど高くない企業の志望動機の作成は、なかなかやっかいです。そうした困ったときに、これから紹介する志望動機の作成方法を参考にされるとよいです。

 

志望動機の作成にあたり、まず、志望動機の「設問の意図」を捉えます。

以下の2つです。

①その企業への入社意欲や熱意。

②その企業で働いている自分がイメージできているか。

 

①②を志望動機の中で、読み手に示していくには、企業研究が不可欠です。また、自分なりの志望動機にするには、自分のことも盛り込んでいく必要があります。こうした点を加味した、志望動機の文章構成例を示します。以下の6つのセンテンスで作成していきます。

 

文章構成例

①その企業で携わりたい仕事(または部署)。

②その仕事(または部署)に携わりたいと思う理由。

③その仕事(または部署)をしていく上で求められる能力。

④③の能力と合う(または近い)自分の強み。

⑤その企業が、企業として大切にしている考え方(理念・ポリシー等)。

⑥企業が大切にしている考え方と合う自分の仕事観(働く上で自分が大切にしている価値観)。

 

どんな志望動機かイメージしやすいよう、まず、①~⑥の文章構成順で、例文を示します。

 

志望動機の例文

①私は、貴社で、商品企画の仕事に携わりたく志望いたします。

②その理由は、機内でお客様が快適な空の旅をお楽しみいただく上でも、航空機の座席の開発や機内食といった航空会社ならではの商品を企画したいからです。

③そして、その商品企画の仕事を行うには、お客様のニーズを捉え、お客様視点を徹底的に考え抜く力が求められると思います。

④私は部長を務めてきた大学でのサークル活動を通じて、50名のメンバー全員が、満足のいくサークル活動を送れるようメンバーの要望を徹底的に分析してその希望に応えてきました。

⑤また、貴社の説明会に参加をした際、貴社は、「お客様の期待以上のサービスを提供する」との考え方を大切にしていると知りました。

⑥それは、接客のアルバイトで、私がモットーとしていた「お客様に歓びと感動を与える」という私の仕事観と合っていたことから、是非とも、貴社の一員として働きたく志望いたします。

 

この文章構成例のポイントは、「自分のこと」を多数盛り込むことにより、自分なりの志望動機にしているところです。

つまり、①②で仕事に対する自分の興味とその理由(考え)、④で自分の強み(能力)、⑥で自分の仕事観(価値観)が入っています。

そして、③と④、⑤と⑥で、企業と自分とが合っている(マッチングしている)ことを示しています。

 

次に、志望動機の作成方法を文章構成ごとに解説します。

 

文章構成①は、まず結論からです。

志望動機の結論をどうするか、考え方はいろいろありますが、この文章構成例では、その企業に入りたい結論として、「その企業ならではの仕事に携わりたいから」としました。

 

文章構成②は、その理由です。

どうして、その仕事に携わりたいのか、自分の考えを整理して、②を作成します。

 

文章構成③は、その仕事をする上で求められる能力です。

商品企画の仕事をする上で求められる能力はいろいろとあります。事例では、「分析力」をあげましたが、そのほかにも、商品を企画する「企画力」、企画するための「発想力」、企画する商品を多角的に学ぶ「向学心」、商品を企画する上で壁にぶつかったときにそれを乗り越える「課題解決力」など求められる能力は数多くあります。そうした、商品企画の仕事をする上で求められる能力を複数あげて、その中から、自分が少しでも自信のある能力を1つ選び、その能力が求められる理由とともに③を作成します。

 

文章構成④は、③で選んだ能力を自分の強みとして、その強みを養ったエピソードの概要を書きます。

例文では、「部長を務めてきた大学でのサークル活動」です。

 

文章構成⑤は、その企業が、「企業として大切にしている考え方(理念・ポリシー等)」とそれを知ったきっかけです。

 

文章構成⑤と次の⑥は、この志望動機自体の「要(かなめ)」です。

というのも、①~④だけでは、「航空事業を営んでいる別の会社でもいいよね」と、採用側に受け取られてしまうおそれがあります。そこで、その企業が大切にしている考え方(理念・ポリシー等)を入れることにより、はじめて、その企業を特定する志望動機になります。

 

企業が大切にしている考え方(理念・ポリシー等)は、その企業の沿革(歴史)や企業カラーなどからできあがったものであり、競合他社同士で企業の考え方がまったく一致している企業はありません。企業が大切にしている考え方は、もちろん、1社に1つではなく複数あり重なるものもありますが、その「大切さ」の度合いは企業により異なります。

 

文章構成⑥は、⑤を受けて、その企業が大切にしている考え方(理念・ポリシー等)と自分が働く上で大切にしている仕事観(仕事をする上で自分が大切にしている考え方)が合っているので、その企業の社員の一員として働きたいとしていきます。

そして、⑤とマッチした自分の仕事観とその仕事観を育んだ、または、活かしたエピソード(例文では、接客のアルバイトでモットーとした考え方)を盛り込んで完成させます。

 

こうした志望動機を作成していくための必要な企業研究は以下の2点です。

まず、文章構成①②に対して、その企業には、どのような仕事や部署があるか、また、その企業の顧客は誰かを調べます。そして、その企業で、自分が興味ある仕事や部署を選び、なぜその仕事に携わりたいか理由を考えていきます。

 

次に、文章構成⑤に対して、ホームページや関連書籍、企業説明会やOG訪問等から、その企業が、「企業として大切にしている考え方(理念・ポリシー等)」を複数拾います。「企業が大切にしている考え方」は、キャッチコピーのようなものもあれば、社是のように抽象的なものまでありますが、できれば具体的なものを選びます。

 

そうして収集した企業情報から、企業とマッチする(または近い)自分の強み(能力)や自分の仕事観(価値観)を自己分析を通じて把握しておきます。

 

いかがでしたでしょうか。

今回紹介した志望動機の文章構成をベースに、自己分析は事前に済ませ、企業のホームページなどで文章構成①や⑤を調べたり、詳しく載っていなければ、企業説明会などで、①や⑤を質問したりして企業情報を収集しておけば、比較的時間をかけずに、志望動機を作成することができます。

よろしければ、志望動機作成のひとつの方法として活用してみてください。

 

次回は、客室乗務職の志望動機の作成方法を紹介します。

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