簡単に作れる志望動機の作成方法(2)
公開日:2021年12月19日
志望動機を作成する上で、よく受ける質問。
今回は、志望動機を作成する上で、よく受ける質問を3つ取り上げます。
エアラインを志望する学生から、「志望動機の中に、エピソードも交えないといけないか」との質問を受けることがあります。
志望動機とは、「その企業を志望するに至った自分なりの理由やきっかけ」であり、志望する理由やきっかけは、個人で異なるため、必ずこう書かなければいけないというものではありません。
ESの設問に対して、エピソードを盛り込んだ方がよいものは、ESの「設問の意図」が、主に、①人間力(強み・能力、得た学び)、②サービスマインド、③価値観、④人間性(性格・タイプ)の場合です。
この4つは、生まれながらに備わっているものではなく、育った環境やこれまでの人生経験(エピソード)などから養われたもので、また、どの程度の強みやサービスマインドか、程度やレベルを読み手(採用側)に伝えていくことが難しいものです。
エピソードを交えることで、その強みやサービスマインドが企業で貢献できる程度(レベル)のものかが伝わりやすくなります。
よって、志望動機にエピソードを入れるかどうかは、その内容次第です。
例えば、志望動機の内容に、企業が大切にしている価値観(理念・ポリシー)を入れ、その価値観と自分が大切にしている価値観とが合っているとの内容であれば、その自分が大切にしている価値観が過去のどのような経験によるものか、簡単にエピソードを交えてもよいでしょう。
また、志望動機が、自分の強み(能力)を活かして企業に貢献していけるからとの内容の場合は、その自分の強み(能力)とその能力を養ったエピソードを簡単に交えてもよいです。
志望動機の中に、内容にかかわらず、やみくもにエピソードを盛り込むことは、採用側の「設問の意図」とずれてしまったり、唐突に話の内容が変わり文章のつながりが悪くなったりしがちなので、気をつける必要があります。志望動機にエピソードを交えるのであれば、なぜエピソードを交える必要があるかを自分の中で明確にしないといけません。
また、エピソードを盛り込む場合、志望動機の設問の制限文字数との兼ね合いから、書きぶりを変える必要があります。過去ANACAのように200字以内で作成する志望動機でエピソードを交えるのであれば、エピソードは概要程度でも構いません。
同じくよく受ける質問に「志望動機を作成するための企業研究の仕方」があります。
企業研究というと、ひとくくりに捉えてしまいがちですが、何のために企業研究をするのか、その目的によって研究する内容が変わってきます。
志望動機は、自分なりの志望動機にしていく必要があり、そのためには、その企業の優れた点をESに盛り込むだけでなく、どうして、そこに魅力を感じたり、共感をしたりするのか、自分が大切にしている考え方などを盛り込む必要があります。
そこで、志望動機用の企業研究の方法のひとつとして、その企業サイトから、「企業が大切にしている価値観(理念・ポリシー)」や競合他社との比較で、他社にはない、若しくは、他社以上に魅力に感じるその企業の特長(長所)や特徴(特色)を整理していきます。
そして、そうした両社の比較から、自分が魅力に感じたり、共感したりする、各社の優れた点を拾い、どうしてそこに魅力を感じるのか、自己分析を進めて、自分の核となる価値観とその価値観を生んだエピソードを明らかにしていきます。
魅力に感じるということは、自分が大切にしている価値観と合っているか、または、近いから魅力に感じるわけです。そうでないのであれば、自分が魅力に思ったものは、一般的に周囲から評価されているものであって、自分もそう思い込んでいるだけであるとしたら、それを志望動機のテーマとするのは、その後の面接選考で問われて苦戦することを考えると避けた方が無難です。
自分が大切にしている価値観は、生まれながらに備わっていません。これまでの人生経験や育った環境の中で、その価値観を大切にするようになったきっかけがあります。それを、エピソードとして、ESの設問の制限文字数を考慮しながら、志望動機に入れていきます。自己分析を進めておくと、そうした自分の核となる価値観がみえやすくなります。
志望動機の作成における企業研究だけでは、自分なりの志望動機をうまく作成することはできません。企業研究と併せて、自己分析を必ず行いましょう。
最後に、「志望動機の内容に説得力を持たせるにはどうしたらよいか?」との質問もよく受けます。
時間やお金が許せば、その航空会社の空港見学や飛行機に搭乗して機内見学をして、自分の目で見て、感じたことを書いていくのも、有効な方法のひとつです。
その場合、空港見学や機内見学で何を見て確認するか、事前にチェックする項目を挙げておきます。