【実践編】自己PRの添削事例(3)

公開日:2021年12月4日

文章構成の「目標達成に向けて工夫・努力したこと」は、取り組んだ理由である「自分の考えや思い」まで盛り込み詳しく書く。

 

自己PRの添削を通じて、作成ポイントを解説する最終回です。

 

自己PRの「文章構成」から、読み手の心に響きやすくなる文章を作成していくためのポイントを振り返ります。主に以下の3点です。

 

①「目標」は、必ず入れて、できるだけ明確な「目標」にします。

②「目標達成に向けて工夫・努力したこと」は、「自分の考えや思い」を交え詳しく書きます。

③「結果」は、「目標」に対する「結果」として、表現内容に気持ちも込めます。

 

それでは、事例をご覧ください。

 

事例(添削前)

私の強みは、高校時代のバドミントン部の部活動で養った「行動力」です。

私が部長に就いた当初、チームはスランプ状態で練習に参加しない部員がいました。

そこで、チームをまとめ団体戦で過去最高の成績を上げることを目標に掲げました。

まず、スランプに陥っている部員一人ひとりと話し合い、苦手部分の克服に向けて付きっ切りで練習相手を担いました。

また、練習に積極的でない部員には、部員全員で声掛けをしようと提案し、部活動内に留まらず、学校生活でも積極的にかかわるように努めました。

その結果、県予選を通過して、団体戦で初の関東大会に出場が決まったときは、部員全員で歓びを分かち合いました。

この経験で養った行動力は、現在カフェでのアルバイトでより磨きをかけています。

 

私が自己PRを添削する際の確認項目を順にみていきます。

 

まず、自己PRの採用側の「設問の意図」が、内容から読み取れるかをみます。

①どのような強み(能力)を養ってきたか?

⇒行動力。

 

②その養った強み(能力)は、企業で貢献できる程度の強みか?

⇒「チーム力を高め団体戦で過去最高成績を獲得することを目標にスランプにある部員の練習相手を担い、部員間の温度差を補うことに努めた経験から行動力を養った」とありますが、行動力という表現が漠然としていることもあり、どの程度のものかまでは伝わってきません。

 

次に、文章構成が読み手にとって分かりやすいかをみます。

「結論=強み(能力)」→「課題」→「目標」→「目標達成に向けて工夫・努力したこと」→「結果」→「しめ」の流れで、わかりやすく書けています。

 

そして、読み手が、理解しやすい文章の流れになっているかをみます。

高校のバドミントン部の部活動をテーマに、チームをひとつにまとめていったエピソードとしていて、1つのテーマで1つのエピソードで作成できています。また、話の内容が唐突に変わったり、話の内容が行ったり来たりしていないので、分かりやすい流れで書かれていて理解しやすいです。

 

最後に、読み手が頭の中でその状況を思い描くことができるだけの情報量と具体的な表現で書けているかを見ていきます。

 

事例で私が気になったところを示します。

 

事例(添削前)

①私の強みは、高校時代のバドミントン部の部活動で養った「行動力」です。

⇒「行動力」という強みの表現は、幅が広いため、その意味合いが漠然とした感があります。「目標達成に向けて工夫・努力したこと」をしっかり書くことで、どんな「行動力」かを追記します。

 

②私が部長に就いた当初チームはスランプ状態で練習に参加しない部員がいました。

⇒文章構成の「課題」の箇所です。「課題」は、その「課題」改善に向けてどんな「目標」を置くか、「目標」を明確にしていくためのものです。そこで、チームがスランプに陥っている理由や原因まで追記します。

 

③そこでチームをまとめ団体戦で過去最高の成績を上げることを目標に掲げました。

⇒文章構成の「目標」の箇所です。「課題」を追記した上で、チームをどうまとめていくか、表現を修正します。

 

④まず、スランプに陥っている部員一人ひとりと話し合い、苦手部分の克服に向けて付きっ切りで練習相手を担いました。

⇒文章構成の「目標達成に向けて工夫・努力したこと」の箇所です。内容が事実状況の説明文になってしまっているので、どういう理由(自分の考えや思い)から、どんなことに努めたか表現を修正してます。

 

⑤また、練習に積極的でない部員には、部員全員で声掛けをしようと提案し、部活動内に留まらず、学校生活でも積極的にかかわるように努めました。

⇒どういう理由(自分の考えや思い)から、こうしたことに努めたのかを追記します。このように「目標達成に向けて工夫・努力したこと」を自分の考えや思いを交えてしっかりと書くことにより、この経験を通じて養った「強み」がよりはっきりしてきます。

 

⑥その結果、県予選を通過して、団体戦で初の関東大会に出場が決まったときは、部員全員で歓びを分かち合いました。

⇒文章構成の「結果」の箇所です。「目標達成に向けて工夫・努力したこと」により、チームがどうよくなったかを盛り込みます。

 

⑦この経験で養った行動力は現在カフェでのアルバイトでより磨きをかけています。

⇒高校時代に養った強みが、現在どうなっているかを伝えていく文章です。カフェでのアルバイトの何に対して、その強みが活かされているかまで書きます。

 

以上の点を加味して添削したものを以下に紹介します。添削前の文章と比較してみてください。

 

事例(添削後)

私の強みは、バドミントン部の部活動で養った目標達成に向け、「自らが渦の中心となり周囲を巻き込む行動力」です。

バドミントンの団体戦はチームワークがより重視されますが、私が部長に就いた当初、部活動に対する部員間のモチベーションに温度差があり、チームはスランプ状態でした。

そこで、チームの結束力を高め、団体戦で過去最高の成績を上げることを目標に掲げました。

まず、スランプに陥っている部員一人ひとりと話し合い、苦手部分の克服に向け付きっ切りで練習相手となりモチベーションを高めていくことに努めました。

また、練習に積極的でない部員には、部員全員で声掛けをしようと提案し、部活動内に留まらず、学校生活でも積極的にかかわり部員同士の信頼感が高まるよう工夫しました。

その結果、チームとしての一体感が生れ、全員が一丸となって臨んだ県予選では、実力以上の力が発揮でき、団体戦で初の関東大会に出場が決まったときは、部員全員で歓びを分かち合いました。

この経験で養った周囲を巻き込む行動力は、現在、シフトマネージャーを担うカフェでのアルバイトでより磨きをかけています。

 

いかがでしたでしょうか。

私のオンライン・マンツーマンレッスンによる添削では、ここで紹介したように受講者が作成した文章一文一文を丁寧に添削した後、イメージ文も添えて、書面でお返しします。そして、オンライン面談で補足説明をし、どのように文章を修正していくか話し合い文章力を磨いていきます。

 

また、私のレッスンの特長として、書類選考通過後の面接選考では、採用面接官から、ESに書かれた内容を広く深く質問されるため、ESの作成段階から、面接選考で的確に回答ができる内容になるよう入念に作成アドバイスをしています。

 

次回は、「JALが求める人財の人間性や人間力」についてお話しします。

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