【CA・グランドスタッフのガクチカ】簡単作成法(3)

公開日:2023年11月19日

ガクチカ完成に向けた手順を学ぶ

 

客室乗務員やグランドスタッフのES(エントリーシート)のガクチカ(学生時代に力を注ぎその経験から得たこと)の書き方をわかりやすく紹介します。

 

(1)採用側の設問の意図を捉える。

(2)文章構成を理解する。

(3)ガクチカ完成に向けた手順を学ぶ。

 

3回シリーズの最終回は、ガクチカ完成に向けた手順を学んでいきます。

 

第1回では、採用側に評価され通過するESを作成するために、まず、採用側の設問の意図を捉えて、書いていく内容を把握すること、ガクチカのエピソードの決め方、を採りあげました。

 

第2回では、ガクチカの文章構成と穴埋め式のひな型を紹介し、文章化していくための準備をしました。

 

最後は、ガクチカを書き上げ、完成に向けた作成手順です。

 


目次

1.ガクチカの作成手順

2.作成手順の補足

3.長い文章の削り方

4.最終確認作業

5.ガクチカの例文(完成形)

6.ご案内


 

1.ガクチカの作成手順

前回紹介した文章構成でガクチカの作成手順を示します。

 

作成手順

①大学時代に力を注いだことを振り返り、ガクチカのテーマを見つけます。

②そのテーマの中で、自分なりに取り組んだエピソードを選びます。

③そのエピソードを、文章構成の項番1~5に沿って整理し箇条書きにします。

④項番1~5の箇条書きから長めの文章にしていきます。

⑤項番1~5の文章内容から「得たこと」を検討し文章を考えます。

⑥作成した長めの文章を設問の文字数まで削った後、校正して完成させます。

 

2.作成手順の補足

ガクチカの作成手順を補足します。

 

1.作成手順①②から、ガクチカのテーマとエピソードを見つけます。

大学時代の活動から、目標を置き、その目標達成に向け自分が努力・工夫・頑張ったことを振り返ります。当時は実際に目標を置くまでではなくても、少しでも、現在の状況をよくする(改善する)ために取り組んだことがあれば、ガクチカのエピソードになります。

 

エピソードが何も浮かばないようであれば、今から何か目標をもって取り組み、これからエピソードを作ってしまいます。ガクチカのテーマやエピソードに「期間」の長短は関係ありません。

 

2.作成手順③は、エピソードを文章構成の項番1~5で箇条書きに整理します。

項番1~5をガクチカの例文から以下のように箇条書きにしていきます。項番6「得たこと」は箇条書きにしません。

 

項番1.力を注いだこと

飲食店のアルバイトでのお店の集客。

 

項番2.課題

リピーターのお客様が獲得できない。

 

項番3.目標

私たちアルバイトの接客でリピーターを獲得すること。

 

項番4.目標達成に向け努力・工夫・頑張ったこと

(その1)(行動)笑顔で挨拶の練習を行い、全員の気持ちを合わせることに努めた。(理由)お客様に心からのおもてなしをする思いを全員で共有するため。

(その2)(行動)一歩先を見越した積極的な接客に励んだ。(理由)お客様に特別感を味わってもらうため。

 

項番5.結果

お客様から、また来店するとの言葉をいただき、半月後、リピーターのお客様を獲得できた。

 

3.作成手順④は、箇条書きした項番1~5を文章にしていきます。

最初は文字数を気にせず、あえて長めのものを作成してください。読み手がイメージしやすいよう状況説明を詳しく書いていきます。

また、そうした状況から、その目標を掲げた理由や、その目標達成に向けて、どういう考えから、そうした努力・工夫・頑張ったかを具体的に書いていきます。

 

4.作成手順⑤は、文章化した④の内容から、項番6の「得たこと」を検討します。

項番4の書きぶりが足りないと、その経験から養った「強み」や「学び」がはっきりせず、内容とずれたものになりがちです。そうした場合は、項番4を今一度振り返り詳しく書き足していきます。

 

項番6「得たこと」を、「強み」、または、「学び」のどちらにするか決めて、文章を作り、完成させます。

 

5.作成手順⑥は、長い文章を設問の文字数に合わせて削り、校正します。

 

 

3.長い文章の削り方

文章の削り方の前に、まず「メイン情報」と「サブ情報」について説明します。

 

「メイン情報」と「サブ情報」

・「メイン情報」とは、その文章や表現がないと読み手に伝えたい情報が不足してしまい、必ず残さないといけない情報のことです。

・「サブ情報」とは、あるとわかりやすいが、読み手に伝えたいこととは直接関係のない情報のことです。

 

一例をあげます。

『それは、大学1年から3年まで、主にホール係を担当してきた飲食店でのアルバイで養いました。』

 

この文章を「メイン情報」と「サブ情報」とに切り分けてみます。

メイン情報『それは、飲食店でのアルバイトで養いました。』

サブ情報 『大学1年から3年まで、主にホール係を担当してきました。』

 

長めの文章を削る場合、サブ情報はあるとわかりやすいですが、読み手に伝えたい情報とは直接関係なければ、削ってしまいます。

 

では、長い文章を削る方法です。

 

長い文章の削り方

①文章を「メイン情報」と「サブ情報」とに切り分け、「サブ情報」は削る。

②繰り返しの内容は削り1つにする。

③文章構成の「課題」は、端的な表現にするか、または、すべて削る。

④冒頭の『私が学生時代に力を注いだことは、〇〇です。』の『私が学生時代に力を注いだことは、』は削り、『〇〇に注力しました』と短い表現にする。

⑤二つの文を一文にまとめる。

『私が学生時代に力を注いだことは、飲食店でのアルバイトです。そのお店では、大学1年から3年間、主にホール係を担当してきました。』

⇒『主にホール係を担った飲食店でのアルバイトに注力しました。』

 

文章の削除は慣れないうちは難しいですが、コツがつかめると楽にできるようになります。

 

 

4.最終確認作業

作成した文章を設問の文字内に収めたら、文章校正も含めた最終確認をします。

最終確認では、主に以下をみていきます。

 

①作成した文章から、採用側の設問の意図が読み取れるか。

②文章構成について、話しの内容が急に飛んだり、行ったり来たりしていないか。

③具体的にわかりやすい表現で書けているか。

④専門用語は表現を工夫するなどわかりやすいか。

⑤ネガティブさやマイナスに映るような表現はないか。あれば削るか、マイナスに映らない表現に入れ替える。

⑥誤字や脱字はないか。

⑦「です・ます調」など、表記は統一されているか。

⑧設問の制限文字数に入っているか。もしくは、設問の制限文字数の9割以上書けているか。

 

 

5.ガクチカの例文(完成形)

最後に、ガクチカの完成形の例文を紹介します。

 

項番1.力を注いだこと

私が学生時代に力を注いだことは、飲食店でのアルバイトでお店の集客を図ったことです。

 

項番2.課題

当初、お店はリピーターのお客様がなかなか獲得できない課題がありました。

 

項番3.目標

そこで、私たちアルバイトの接客を通じて、リピーターのお客様の獲得を目指しました。

 

項番4.目標達成に向け努力・工夫・頑張ったこと

(その1)お店に訪れるお客様に心からのおもてなしをするとの思いをアルバイト全員で共有したいとの考えから、仕事の開始前に、アルバイト全員がお互い顔を見合わせて、笑顔と印象のよい挨拶の練習に励み、全員の気持ちを合わせることに努めました。

(その2)また、お客様に特別感を味わっていただきたいとの思いから、ホール係を担当したときは、お客様のテーブルやお客様の表情をしっかりと観察して、次に何を注文されるかお客様のご要望を予測した上で、一歩先の接客に励みました。

 

項番5.結果

その結果、私たちアルバイトがかかわったお客様から「居心地の良いお店だね、また来るよ」との言葉をいただき、半月後にはリピーターのお客様を獲得することができました。

 

項番6.得たこと

(その1)この経験から私は、目標達成に向けて創意工夫を凝らし粘り強く取り組んでいく行動力を養いました。

(または)

(その2)この経験から私は、接客をする上でお客様視点を貫き、お客様の一歩先を見越した対応をとることの大切さを学びました。

 

 

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