【CA・グランドスタッフのガクチカ】簡単作成法(1)

公開日:2023年11月18日

採用側の設問の意図を捉える。

 

客室乗務員やグランドスタッフのES(エントリーシート)のガクチカ(学生時代に力を注ぎその経験から得たこと)の書き方をわかりやすく紹介します。

 

(1)採用側の設問の意図を捉える。

(2)文章構成を理解する。

(3)ガクチカ完成に向けた手順を学ぶ。

 

3回シリーズの第1回は、「採用側の設問の意図」を捉えて、書いていく内容を把握します。

 

エントリーシートを作成する際、何をどう書けば良いか悩んだ経験はありませんか?

 

採用側に評価され通過する内容にするには、まず、「採用側の設問の意図」は何かを考えます。

 


目次

1.採用側の設問の意図

2.ANAとJALで出題されたガクチカ系の設問

3.ガクチカの設問の意図

4.ガクチカのテーマとエピソード

5.テーマ出しのポイント

6.ご案内


 

1.採用側の設問の意図

「採用側の設問の意図」とは、ESの回答内容を読んで、採用側が知りたい、その受験生が有する、「能力」、「性格」、「興味」、「価値観」、「意欲」などです。

 

ESの回答内容を考える際、まず、「採用側の設問の意図」を捉えます。そうすれば、設問の回答内容と採用側がその設問の回答内容から知りたいこととがずれなくなり、採用側が、ESを評価しやすくなります。

 

客室乗務職の採用では、毎年1万通以上のESに目を通します。

採用側が、ESの何を見て評価しているかというと、その企業向けのキーワードが回答内に入っているかではなく、以下の3点をみています。

 

ESの評価ポイント

①採用側の設問の意図を理解し回答内容が設問とずれていないか。

②採用側が読みやすい文章構成か。

③採用側がイメージしやすく心に響く内容や表現か。

 

ESの作成で大切なことは、「自分視点」ではなく「採用側視点」に立つことです

 

それでは、最近出題されたANAとJALの客室乗務員、グランドスタッフのガクチカ系の設問をみてみましょう。

 

 

2.ANAとJALで出題されたガクチカ系の設問

2024年度入社新卒採用

ANACA

設問1『あなたの持つ個性や強みは何ですか。それはどのようにANAの客室乗務職に活かせますか。』(400文字)

 

JALスカイ

設問3『学生時代で得た一番の学びは何ですか。また、その経験をJALスカイでどのように活かしたいですか。』(300文字程度)

 

ANAエアポートサービス

設問2『あなたらしさを一言で表してください。その理由と詳細をご記載ください。』(500文字)

 

 

3.ガクチカの設問の意図

ガクチカの設問の意図は、以下の4つです。

ガクチカの設問の意図

①大学時代に何に(どのようなテーマに)熱中したか。

②その目標達成に向けて、どのように取り組んだか。

③その取り組んだ結果、何を得たか。

④その経験で得たものは、企業で貢献できる程度のものか。

 

作成するガクチカは、この4つを盛り込んだ内容にしていきます。

 

 

4.ガクチカのテーマとエピソード

ガクチカは、エピソード(体験談)を交える必要があります。それでは、どのようなテーマを選んだら良いでしょうか。ガクチカのテーマ例を挙げます。

ガクチカのテーマ例

①アルバイト

②部活動、サークル活動

③学外活動

④ボランティア活動

⑤海外留学

⑥ゼミ活動

⑦習い事、趣味、スポーツ

⑧学業、資格取得

⑨その他、目標達成に向け取り組んだこと、など

 

テーマとエピソードの選び方は、大学時代に取り組んだことで、何か目標を置き、その達成に向け、工夫・努力・頑張ったこと、その経験から「強み」または「新たな学び」を得たものを挙げます。

特に、「目標達成に向け、工夫・努力・頑張った」ことをしっかりと書けるものを選びます。

 

5.テーマ出しのポイント

ガクチカのテーマとエピソードを決めていく上でポイントを説明します。

 

1.1つのテーマの1つのエピソードとします。

1つの設問に、テーマを複数書いてしまうと内容が薄まります。1つのテーマの1つのエピソードに絞ります。

 

2.珍しいテーマやエピソードをひねり出す必要はありません。

テーマやエピソードは、他の受験生には真似ができない珍しい(レアな)ものをひねり出す必要はありません。

テーマやエピソードは、その希少度が評価されるわけではありません。自分が、ある目標を置き、その目標達成に向けて、自分なりに工夫・努力・頑張ったものをエピソードとして選ぶようにします。

 

3.大きな成果を挙げたテーマやエピソードとする必要もありません。

採用側は、取り組んだことによる結果や成果は大して重視していません。

もちろん取り組んだ結果、大きな成果を挙げたのであれば、それを書いていけばよいですが、大きな成果を挙げていなくても、テーマやエピソードとして構いません。

その理由は、結果や成果は、「採用側の設問の意図」ではないからです。結果や成果は、ちょっとしたプラスの成果で構いません。

 

4.力を注いだ「期間」や「長さ」は関係ありません。

テーマやエピソードを選ぶ上で、必ずしも、力を注いだ「期間」は関係ありません。

短期間のことでもガクチカのエピソードになり得ます。「期間」よりもその「中身」や力を注いだその「濃さ」が重視されると考えてください。

 

5.ガクチカのテーマは、基本、大学時代のこと。ただし、設問にもよります。

ガクチカのテーマやエピソードを高校時代のことでもよいかと聞かれることがあります。私の考えは、ガクチカの「ガク」は、大学生の「ガク」であることから、大学時代のことをテーマにするのが一般的です。

ただし、高校時代に一番頑張ったことがあるのに、他の設問でそれを書くことができず、大学時代には、これといってアピールできそうなものが見当たらなければ、ESに悔いなく自分のことをアピールしていく上でも、高校時代のことでも構わないと私は思います。

そのほか、設問が「過去に成し遂げた一番の挑戦」とあれば、大学時代のことでなくても構いません。

 

次回は、ガクチカの文章構成とひな型をとりあげます。

 

 

6.ご案内

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