簡単に作れる自己PRの作成方法(2)

公開日:2021年10月22日

エアラインの採用担当に評価される自己PRの文章構成とは。

 

簡単に作成できる自己PRの作成の第2弾として今回は、読み手である採用側に評価されるだけの分かりやすくアピールできる文章構成について具体的に解説します。

 

自己PRを作成するにあたり、まず、自己PRにおける採用側の『設問の意図』を捉えます。

採用側の『設問の意図』とは、受験者を評価する上でその設問の回答内容の何を見ているかです。採用側に適正に評価してもらうためにも、採用側の『設問の意図』を捉えて、その『設問の意図』を網羅した内容にしていく必要があります。

 

自己PRの採用側の『設問の意図』は、以下の2点です。

①どのような強み(能力)を養ったか。

②その養った強み(能力)は、弊社で貢献できるだけの強みであるか。

この2つの『設問の意図』が、読み手である採用側に伝わる内容にしていくことを念頭に置きます。

 

次に、自己PRの文章構成について解説します。

ここで用いる文章構成は、単なる一例です。設問の意図が、その内容から理解ができ、読み手がイメージしやすいわかりやすい内容であればよく、こう書くべきとの決まったルールはないからです。

 

自己PRの文章構成例として、以下の1~7までの7つの項番で作成します。

 

自己PRの文章構成(例)と文章のひな型(例)

1.結論  「私の強みは、○○です。」

2.テーマ 「それは、△△(テーマ)で養いました。」

3.課題  「当初、□□といった課題がありました。」

4.目標  「そこで、☆☆といった目標を掲げました。」

5.行動  「●●との思い(考え)から、▲▲に努めました・工夫しました。」

6.結果  「その結果、■■との成果をあげることができました。」

7.しめ  「この経験を通じて私は、◎◎(強み)を磨くことができました。」

 

こうした内容での文章構成例を理解していく上で、以下にポイントを解説します。

 

①読み手(採用側)が興味をもつ項番は、1、7、5です。

文章構成例の項番1~7の中で、読み手が興味をもつ項番は、1、7、5です。

それは、自己PRの「設問の意図」が、この項番から判断できるからです。

項番1、7からは、「どのような強みを養ってきたか」、項番5からは、「その強みは企業で貢献できる程度の強みか」を知ることができます。

 

それでは、項番5から、なぜ、強みの程度が判断できるのでしょうか。

例えば、「私の強みは粘り強さです。それは、飲食店でのアルバイトで養いました」との書き出しで始まる自己PRの場合、飲食店でアルバイトをしている人が、全員そのまま、自動的に、粘り強さという強みが養われるわけではありません。

飲食店でのアルバイトといった環境の中で、自分なりに目標を置き、その目標を達成するために努力したり、工夫したり、その取り組んだ頑張り度が、粘り強さといった強みを養うことにつながったわけです。

その意味からも、項番5を具体的に、詳しく書いていけるかが、読み手に自分の強みの程度を伝えていくポイントになります。

 

②項番4「目標」は、必ず、文章に入れ、できるだけ「明確な目標」とします。

次に、項番5で書いた内容をしっかりと読み手に受け止めてもらうには、項番4の「目標」を、必ず文章に入れる必要があります。

「目標」が書かれていない自己PRで、努力・工夫・頑張ったことをいくら書いても、読み手は、何でそこまで、努力・工夫・頑張ったかがピンとこず、ぼんやりとしてしまいます。

そして、その目標もできるだけ「明確な目標」としておくことが大切です。

 

そこで、項番3「課題」と項番4「目標」は、明確な目標としていくためにセットにしています。

「課題を少しでも改善するためにその目標をもち」とすることで、いくらか明確な目標に近づきます。

 

ただし、必ず、課題を盛り込む必要があるかというと、次のようなテーマでは、目標の前に、簡単な状況説明を入れるだけで足ります。

例えば、『私の強みは○○です。それは高校のバレーボール部の部活動で養いました。私の高校は、関東屈指の強豪校であり、全国大会に出場することを目標としました。』

こうした、「大会に出場する」、「優勝する」、「賞を受賞する」、「合格する」などの目標の場合は、それだけで明確な目標になり、こうした目標の場合は、項番3の「課題」は不要であり、下線のような簡単な状況説明を入れて、目標を書いていきます。

 

繰り返しますが、「目標」は、文章構成の「要(かなめ)」であり大変重要です。

できるだけ、「明確な目標」にしていきましょう。

 

③項番5「行動」は、具体的に詳しく書く。

項番5は、項番4「目標」を達成するために、どのように取り組んだか、詳しく書いていきます。

その際、状況の説明と合わせて、どうして、そのように取り組んだのか、自分の考えを交えます。

 

項番5の雛型例では、「●●という思いから(考えから)」としています。

この●●には、どうしてそういう努力・工夫・頑張ろうとしたのか、そうしようとした自分の考え(理由)が入ります。

面接選考では、ESに書かれた内容からその時の思いや考えを問う質問が多く、面接で訊かれてもいいように自己PRの作成段階から、項番5の●●の部分を整理して文章に盛り込んでおくと面接対策にもなります。

 

目標達成に向け努力・工夫・頑張った取り組みは、2つ入れます。

できるだけ詳しく、しっかりと書いていくことで、その取り組みを通じて養った「強み」が見えてきます。

「強み」が、はっきり見えてこないとすれば、項番5の書きぶりが弱いか足りないからであり、再度整理をして具体的な表現に変えるか、または、追記をします。

 

なお、項番5の内容が「チーム力の向上」など、チームや組織をまとめていくことに取り組んだものとする場合は、自分が取り組んだ内容と併せて、チームメンバーの視点も文章に盛り込みます。

チーム力の向上のために自分が取り組んだことのみの羅列では、読み手に対し独りよがりの行動と映りがちです。

そうした自分の取り組みが、チームメンバーにはどう映り、チームメンバーの姿勢に変化が現れたか、そして、チーム力の向上につながったか、チームメンバーの視点も交えて書いていきます。

 

④項番6「結果」は、項番4「目標」に対する結果とする。

項番6の「結果」は、項番4「目標」に対する結果を書きます。

前述した通り、素晴らしい結果や大きな成果までは必要はありません。

採用側は、項番5をしっかりと読みたいと思っています。

結果は、ちょっとしたプラスの成果で構いません。

また、項番4の「目標」が抽象的なものだと、項番6「結果」も、抽象的なものになってしまうため、その意味でも、項番4「目標」は明確な目標としていきます。

 

⑤項番7「しめ」と項番1「結論」の表現を工夫する。

自己PRの項番7の「しめ」は、項番2~6での経験で養った強み(能力)は何か、言葉を補い、少し詳しめに書いていきます。

 

「しめ」の文末の表現を、「(その強みを)身につけた」と書いてしまうと、その強みを100%完璧に身につけたと言い過ぎに感じるのであれば、「(その強みを)養うことができた、磨くことができた、培うことができた」ぐらいの表現にします。

 

「しめ」の表現を決めた後、最後に項番1「結論」の強み(能力)の表現を考えます。

項番7の「しめ」と比べて、項番1の「結論」の強みの表現は、一言で端的なもので構いません。

項番1と7を全く同じ表現にしてしまうと繰り返しになってしまい、文字数的にももったいないので、項番1の「結論」は、端的な表現にして、項番7の「しめ」は、より具体的に少し詳しくしていくとうまく納まります。

 

それでは、文章構成例に基づいた例文を以下に紹介します。

特にしっかりと書きたい項番5については、少し長めの文章を2つ挙げます。

 

自己PRの例文

(結論)私の強みは、粘り強さです。

(テーマ)それは、飲食店でのアルバイトで養いました。

(課題)当初、リピーターのお客様が獲得できないといった課題がありました。

(目標)そこで、私たちアルバイトの接客を通じて、一日一組以上のリピーターのお客様を獲得するとの目標を掲げました。

(目標達成に向けて工夫・努力・頑張ったこと)お店に訪れるお客様に心からのおもてなしをするとの思いをアルバイト全員で共有していきたいとの考えから、仕事に入る前に、アルバイト全員がお互い顔を見合わせて笑顔で挨拶の練習に何度も励みました。また、お客様に特別感を味わっていただきたいとの思いから、ホール係を担当したときは、お客様のテーブルやお客様の表情をしっかりと観察し、次に何を注文されるかを予想した上で、お客様がオーダーされる前に積極的な接客に努めました。

(結果)その結果、私たちアルバイトが、関わったお客様から居心地の良いお店だね、また来るよとの言葉をいただき、目標通り、一日一組以上のリピーターのお客様を獲得するとの成果をあげることができました。

(しめ)この経験を通じて私は、目標達成に向け粘り強く取り組んでいく行動力を養うことができました。

 

次回は、こうした文章構成例から自己PRを作成していくための作成手順について解説します。

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