エアラインESを作成するための工夫(3)
公開日:2021年10月18日
エアラインESで採用側の心に響く内容にしていくには。
ESの作成において、読み手である採用側の心に響く内容にしていくための具体的な工夫や方法についてお話しします。
1つの設問には1つのエピソード
まず、ESの設問単位でエピソードは1つに絞り、深く詳しく書いていきます。
ガクチカや自己PR系の設問で、自分が養った強みや気づきを得た学びを立証するエピソードとして、複数盛り込む人がいますが、私はお勧めしません。
その理由は、ESの設問には、指定された文字制限がある中で、複数のエピソードを取り上げると、内容が薄くなる傾向にあるからです。
例えば、『学生時代に力を注いだことは何ですか?(400字以内)』という設問に対して、『私は学生時代に異文化コミュニケーションを学ぶことに力を注ぎました。大学の留学生支援では、○○○○に取組み、また、海外留学では、○○○○に努めました。』という内容の場合、「留学生支援」と「海外留学」と2つのエピソードを400字以内で作成すると事実状況(事象)中心の説明文となり内容が薄くなりがちだからです。
ガクチカや自己PR系の設問では、読み手(採用側)は、応募者がその経験を通じて、どのような強みを養ったか、または、何を学んだか、その程度(レベル)も含めて、把握しようとします。
そのため、1つのエピソードに絞って、深く詳しく書いた方が、読み手(採用側)に、よりアピールしたいことが伝わりやすくなります。
当初は指定文字数よりも長い文章を作成する
そして、作成当初は、ESの設問の制限文字数に合わせるのではなく、文字制限は一切気にせずに、あえて、長めの文章を作成していきます。
最初から文字制限内で作成しようとすると、前述の通り、読み手に状況を伝えたいため、内容が、事実状況(事象)中心の説明文になったり、表現を丸めてしまったりして抽象的な内容になりがちです。
エアラインのESの場合は特に、設問によっては、設問の回答内容に自分の考えや思いまで、しっかりと盛り込んでいく必要があります。
長い文章からスタートして、そこから文章を削っていった方が、中身の濃いいものがつくれます。
また、長めの文章を作っておくと、その後の面接選考での対策にも活かせます。
当会のテキスト「エアライン面接対策」に詳述していますが、長めの文章を作成しておくと、面接選考で問われる2つの質問パターンにも対応できるようになります。
「メイン情報」と「サブ情報」
以上のように、まずは、長めの文章を作成し読み手に伝えたいことを十分盛り込んだ上で、そこから、文章内容を「メイン情報」と「サブ情報」とに切り分けて、「メイン情報」は残して、「サブ情報」を削ることで、ESの設問で指定された制限文字数まで削っていきます。
「メイン情報」とは、その文章や表現がないと読み手に伝えたい情報が不足してしまうため、必ず、文章内に残さないといけない情報です。
一方、「サブ情報」とは、書かれていると内容がわかりやすいですが、読み手に伝えたいこととは、直接関係していない情報をいいます。
以下に一例をあげます。
『それは、大学1年から3年まで、主にホール係を担当してきた飲食店でのアルバイトで養いました。』という文章を「メイン情報」と「サブ情報」とに切り分けると以下になります。
メイン情報 『それは、飲食店でのアルバイトで養いました。』
サブ情報 『大学1年から3年まで、主にホール係を担当してきました。』
サブ情報はあるとわかりやすいですが、文章を大幅に削る必要がある場合で、直接、読み手に伝えたい情報とは関係がないようであれば、削ってしまいます。
長い文章を削る方法
長い文章を削る方法としては、以下があります。
①作成した文章や表現を「メイン情報」と「サブ情報」とに切り分け、「サブ情報」を削る。
②同じような内容を繰り返している箇所は削り、1つにする。
③ガクチカの場合、冒頭の『私が学生時代に力を注いだことは、○○○です。』の『私が学生時代に力を注いだことは、』を削り、『○○○に注力しました』と短めの表現にする。
④二つの文を一文にまとめる。
例えば、『私が学生時代に力を注いだことは、飲食店でのアルバイトです。そのお店では、大学1年から3年間、主にホール係を担当してきました。』を1つの文にすると『主にホール係を担った飲食店でのアルバイトに注力しました。』とします。
文章の削除は慣れないうちはなかなか難しいですが、コツがつかめると楽にできるようになります。