通過する応募書類を作成するには(5)
公開日:2021年10月10日
面接選考に導く採用側の心に残るES作成のためのポイントとは。
今回は、面接選考につながる採用側の心に残るES作成のためのポイントについて、2点お話しします。
ESに自分らしい良い面を「多面的」に見せていく
まず1つめは、ES全般を通じて、自分らしい良い面を「多面的」に見せていくことです。
残念なESとしては、例えば、ESのガクチカに書くテーマは、大学での「サッカー」サークルでのこと、趣味は、海外のクラブチームの「サッカー」観戦のこと、特技は「サッカー」ボールで行うリフティングをテーマにしたとすると、3つの設問が「サッカー」かぶりになってしまいます。
それだけ、「サッカーに力を注いだ!」という点を読み手にアピールしていくよりも、「サッカー以外の別の一面もあるんだ。」と読み手に感じさせるよう、ESの設問それぞれで、別々のテーマで作成していく方が望ましいです。
就活支援本で、ESの内容は「一貫性」が大切であり、ガクチカや自己PRの強み(能力)は、似たようなものにした方がよいと書かれたものがあるようですが、私は賛成しません。
似たような内容にしない方がいいと考える理由は、出題数に限りがあるESの設問で、似たようなテーマや内容にしてしまうと、企業の採用側が、ガクチカと自己PRの2つの設問を出題する意味がなくなってしまうからです。
あえて、応募者の強みを問う、ガクチカ、自己PRの2つをESの設問としているということは、応募者の強みを複数知りたい、つまり「多面的」にその応募者の強みが知りたいからだと考えます。
ESで書かれた内容を読み手に対し分かりやすいものとするために、設問単位では、内容の「一貫性」は必要ですが、それは、ESの設問全体を通した「一貫性」という意味ではありません。
ESの複数の設問を通して、「多面的」に自分のことを採用側に伝えていく方が、読み手(採用側)に自分をアピールすることができます。
ESにはポジティブ・前向きな内容や表現にする
採用側の心に残るES作成のためのポイントとして、ふたつめは、ESで回答する内容は、ポジティブ、前向きな内容や表現にするということです。
ESは、企業に自分をアピールするための書類であること、書類選考通過の決め手となる「採用側に会ってみたい人」と思わせるためにも、ESは、ポジティブで前向きな内容や表現で作成します。
ネガティブに映りかねない内容や表現は、極力避けるべきです。
「ネガティブな表現なんて使わないよ。」と思っている人でも、無意識のまま割とやってしまうのが、過去との対比において、過去の自分をマイナスな表現で書いてしまうことです。
例えば、『私は高校時代、「人見知り」でしたが、大学でのサークル活動を通じて、「社交的」になりました。』という内容は、現在の「社交的」な自分を引き立たせるために、過去の「人見知り」だった自分を引き合いに出していますが、あえて過去と対比させる必要はありません。
『私は、大学でのサークル活動を通じて、より社交性を磨きました。』として、社交性を磨いたサークルでのエピソードをしっかりと書いていきます。
ESの作成は、一人称の自分視点ではなく、読み手側の視点を捉えた上で、内容や表現を考えていくことが大切です。
とはいえ、「ありのままの自分をみて欲しい」と、その人自身の強いこだわりから、マイナスに映りかねない内容や表現であっても、あえてそれを書きたいという人もいます。
ESは、その応募者の書類であって、周囲の誰のものでもないので、私が支援している方に対しても、そうした要望があった場合には、その応募者の考えを尊重します。
ただ、その場合でも、一緒に話し合い確認をしながら、少なくとも、表現においては、読み手である採用側がマイナスとまで感じさせない「イーブンな表現」に入れ替えるなど、一緒に表現を考えていきます。
ES等の書類選考を通じて、読み手である採用側に、「お会いして直接、お話をしてみたい。」と思わせる必要があります。
そのための方法として、今回2つのことについてお話をしました。
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