通過する応募書類を作成するには(2)
公開日:2021年10月5日
ESの設問内容通りに正確に読み捉えること。
就活の応募書類を通過させるための文章作成のポイントについて、第2弾です。
設問の内容を読み違えないこと
前回、採用側の「設問の意図」を捉えて回答を考えることについてお話ししましたが、そのためには、決して、設問の表現を読み違えることなく、その設問の表現通りに捉えていかなくてはなりません。
JALCAの2020年新卒採用ESの設問1は、『あなたが過去に成し遂げた一番の挑戦は何ですか』でした。
設問に「挑戦」とあるので、「挑戦したこと」をテーマに書いていかなければなりません。
この「挑戦したこと」を、例えば、「力を入れたこと」と読み違えてしまうと、採用側の「設問の意図」と微妙にずれてしまいます。
採用側が、設問を「挑戦」としたのは、「困難なことに対して挑んだこと」を知りたいからであって、「努力をしたこと」「頑張ったこと」といった内容では、設問における採用側の意図とニュアンスが、微妙にずれてしまいます。
細かいことですが、ESを作成する上で大切なことなので、留意をしてください。
読み違えをすることなんてあり得ないと思われる人でも、こうした「挑戦したこと」を問う設問に対して、事前に作成した「ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)」を転用して、表現だけ「力を入れたこと」を「挑戦したこと」に置き換えてしまう人が割といます。
もちろん、「ガクチカ」で書いたテーマを転用して「挑戦したこと」で作成しなおすこと自体は、何の問題もありません。
ただその場合、そのまま転用するのではなく、「挑戦したこと」に内容自体を変えていかないと、設問の表現を読み間違えていることと同じことになってしまいます。
設問の指定通りに作成すること
「設問の表現を読み違えない」ことと同じく重要なことに「設問の指定された通りに文章を作成する」があります。
JALスカイの2020年新卒採用のES設問2は、『学生時代に最も力を入れて取り組んだこととどのように取り組んだかを教えて下さい。また、その経験から何を得ましたか』でした。
この設問の場合、回答は、以下の3つは必ず内容に盛り込まなくてはなりません。
①学生時代に最も力を入れて取り組んだこと。
取り組んだテーマは何か。
②どのように取り組んだか。
そのテーマに対して、どのような目標を置き、その達成に向けてどのように取り組んだか。
③その取り組んだ経験から何を得たか。
この経験を通じて、どのような「強み」を養ったか、または、どのような「学び」を得たか。
1つでも欠けると設問の指定通りに作成されていないため減点のおそれがあります。
また、設問に「指定された順に記入してください」とある場合は、必ず、指定された順番に記入しなければなりません。
JALCAの2019年新卒採用ES設問1は、次のようなものでした。
『あなたがこれまでに特に力を注いで取り組んできたことを挙げ、なぜ力を注いだのか(理由)、何を目指し、どのように挑戦したのか(目標・行動)、何を実現したのか、そこから何を学んだのか(結果)の順で記入してください。』
この設問の場合は、回答すべき文章の構成まで指定をしてきています。
この設問の場合、一例として、文章構成は、以下の順番で作成していきます。
①特に力を注いで取り組んできたことは何か。
②(特に力を注いで取り組んだ)その理由。
③(そこでは)どのような目標を置いたか。
④(その目標達成に向けて)どのように行動したか。
⑤その結果、何を実現したか。
⑥この経験から、何を学ぶことができたか。
採用側がこうした順番指定をする理由は、受験者から届く大量のESを読む上で、指定した順番どおりに書かれていた方が、読む時間が短縮できて、評価もしやすくなるからです。
ESを作成する際、こうした読み手側(採用側)の視点をもつことも大切です。
弊会のマンツーマン・個人レッスンでは、ESの設問の内容から、何を問われているかを確認しあい、作成のための文章構成やその具体的な内容について一緒に話し合い、ESの回答を考えていきます。
次回もESを通過させるための作成のポイントについてお話をします。